DJI Mini 4 Proが「第二種型式認証」を取得、その意味とは?
2025年5月、日本の小型カメラドローン市場において重要なニュースが報じられました。DJI社の「Mini 4 Pro」が国土交通省の第二種型式認証を取得したのです。
第二種型式認証とは?
この認証は、2022年12月の改正航空法に基づく「機体認証制度」の一環で、ドローンの型式(モデル)があらかじめ国の安全基準を満たしていることを認める制度です。とりわけ、第二種は目視外飛行(BVLOS)や補助者なしの自動航行を行うために必要な重要認証です。
簡単に言えば、第二種型式認証があると、飛行申請の簡略化や飛行範囲の拡大といった大きなメリットが得られます。特に物流・点検・監視といった業務用途において、操縦者の負担を軽減しながら、安全性を担保するための基盤となるものです。
DJI Mini 4 Proが認証された意義
- 小型軽量機の中で初の第二種型式認証取得
- 個人利用者でもより自由度の高い飛行が実現
- 法人用途(測量・空撮・農業)での導入障壁が低下
従来、100g未満のドローンは「航空法の適用外」でしたが、現在は登録義務や飛行ルールが適用されるようになっており、小型ドローンでも認証の取得は重要です。Mini 4 Proの取得は、「軽い=自由」ではなく、「安全性が証明されてこそ自由」という新しい常識を体現しています。
制度と市場の接続点:なぜ今これが重要か
第二種型式認証は、レベル4飛行(無人地帯での完全自律飛行)を目指す社会実装において、必須の一歩です。DJIのような民間企業がこれを取得することで、今後の制度普及が一気に加速する可能性があります。
また、制度側も「型式認証済み機体 × 運航管理者」というセットでの飛行許可の自動化に舵を切りつつあり、Mini 4 Proのような市販ドローンの活躍の場が一段と広がります。
ドローン業界の今後と実務者への提言
これからドローンを活用したビジネスを考えている方にとって、以下のポイントは特に重要です。
- 第二種型式認証済みの機体を選ぶことで、運用の自由度が増し、許可取得の工数も軽減
- ドローン登録制度(機体登録・リモートID)と運航管理体制の理解は必須
- 補助金や制度支援(例:ドローン配送拠点整備促進事業)との親和性が高くなる
まとめ:Mini 4 Proが開く未来
DJI Mini 4 Proの第二種型式認証取得は、ドローンが「遊び」から「社会インフラ」へと移行する象徴的な出来事です。制度と技術が交差するこの瞬間を、私たち操縦者・事業者は見逃すべきではありません。
これを機に、ドローン導入における制度面の理解を深め、安全と効率を両立させる飛行を実現しましょう。
著者プロフィール:
ドローン操縦士・物流技術管理士。現場と制度のギャップを埋める解説をライフワークに、産業ドローンの活用や政策の裏側をnoteとブログで発信中。