琵琶湖でドローン事業を始めるには?業務利用に必要な法令・許可やその可能性を解説!

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滋賀県が誇る日本一の湖「琵琶湖」は、その広大な水面と自然環境を活かし、空撮や物流などの業務用ドローン活用に最適なフィールドです。本記事では、「ドローンを業務目的で琵琶湖上で飛行させる」ために必要な知識と、今後の可能性についてわかりやすく解説します。              ※この記事にはアフリエイト広告が含まれています。


ドローン事業に関わる主要法令

業務でドローンを使用する場合、まず確認すべきは関係法令です。以下の法令が関わってきます。

  • 航空法:湖上を飛行するドローンはすべて対象。飛行ルールの遵守や申請が必要です。
  • 小型無人機等飛行禁止法:重要施設の周辺での飛行を制限。
  • 電波法:電波の周波数や強度の制限。
  • 民法:プライバシー侵害や損害賠償など、トラブル時の根拠。
  • 地方自治体条例:滋賀県や大津市などで独自の規定がある場合があります。

琵琶湖自体は人口集中地区(DID)ではありませんが、業務利用や特殊飛行(目視外・夜間等)では国土交通省への申請が必要です。


操縦に必要な免許・資格とは?

2022年より導入された国家資格「無人航空機操縦士」制度があります。

  • 一等資格:高度な業務(例:人の上空、物件投下等)
  • 二等資格:夜間・目視外飛行に対応

国家資格がない場合でも、JUIDAやDPAなどの民間資格を取得することで、一定の信頼性や保険加入要件を満たすことができます。


許可や承認が必要なケース

琵琶湖であっても、以下のような条件に該当する場合は、DIPS2.0システムを通じて国交省への申請が必要です。

  • 夜間や目視外での飛行
  • 高度150m以上、または人や物件から30m以内での飛行
  • イベント上空、危険物運搬、物件投下 など                           ※許可条項は変更となる場合があります。必ず最新のものをご確認ください。

琵琶湖で業務として行えそうなこと

現在、琵琶湖上でドローンを活用して行える業務には以下のようなものが考えられます。

  • 空撮・観光プロモーション映像制作
  • ボートレースやイベントの記録
  • 橋脚・堤防など水上構造物の点検
  • 藻類調査、水質透明度、水鳥分布などの環境調査
  • 遭難者の捜索支援(行政との連携が前提)    ・・・などなど

これらはすでに県内各所で実証実験や導入事例があり、効果が認められつつあります。


ドローンによる琵琶湖横断物流の可能性

たとえば**大津市から長浜市木之本町までの縦断(約60km)**をドローンで飛行することができれば、以下のようなメリットがあります。

大津市役所〜長浜市役所:ドローン vs 道路ルート比較

🚁 ドローン vs 🚗 道路ルート(大津市役所〜長浜市役所)

琵琶湖を挟んで南北に位置する「大津市役所」と「長浜市役所」間の移動手段を比較しました。以下に、直線飛行によるドローンルートと、東岸道路ルートの距離・時間の違いをまとめた図表をご覧ください。

大津市役所〜長浜市役所のルート比較図(道路とドローン)
区間 距離 所要時間 備考
🚗 道路ルート 約72km 約2時間12分 琵琶湖東岸を北上(主要幹線道路利用)
🚁 ドローン直線ルート 約55.0km 約1時間6分 琵琶湖を横断する最短ルート(直線飛行)
  • 渋滞や道路規制の影響を受けずに輸送が可能
  • 医療物資や緊急支援物資などを高速・非接触で届けられる
  • 離島・漁港のようなアクセスが難しい場所にも対応できる

ただし、天候・風速や通信環境、目視外飛行に関する許可のハードルは高く、現時点では実証実験レベルにとどまっています


実証実験に向けての準備とは?

個人として「琵琶湖ドローン運行管理規定」を作成し、関係機関へ提出・実証許可を申請する想定で考えてみました。

以下のような項目を整理しておくことが重要です:

  • 実験の目的、飛行エリア、使用機体、操縦者の資格
  • 安全管理体制、関係機関との調整
  • 飛行高度、離陸場所、緊急対応マニュアル
  • 実施後の報告義務と評価指標

実験の信頼性を高めるためには、WordやPDF形式で明確な規定書を作成し、図や地図を添付することが効果的です。


今後の展望とまとめ

琵琶湖は、自然環境と社会インフラが混在する非常にユニークな空間です。ドローンの活用により、観光・物流・災害対策・環境保全といった分野での可能性が最も大きいと考えます。

業務でドローンを活用したいと考えている方は、行政の協力はもとより、法令遵守と安全意識を持ち、実証的な一歩を踏み出しましょう。

参考:大津市役所~長浜市役所間の陸路と湖上ルート比較

上の地図は、滋賀県全域と琵琶湖(青色部分)を示したもので、琵琶湖の位置・形状が一目でわかります。この地図上には、琵琶湖の南端付近に位置する大津市役所(地図下部)と、北東岸に位置する長浜市役所(地図上部)を黒丸でプロットしています。また、大津港から長浜港を結ぶ2つのルートが青線で描かれています。1つは琵琶湖東岸に沿って陸上を迂回する陸路ルート(湾曲した青線)で、もう1つは琵琶湖上をほぼ直線で結ぶ湖上直線ルート(ドローンルート)(直線の青線)です。それぞれのルートについて、移動距離と想定所要時間を以下に説明します。

陸路ルート(大津港~長浜港)

大津市から長浜市まで琵琶湖東岸に沿って南北に走る道路は、「さざなみ街道」の愛称で親しまれています。この陸路ルートでは、大津港(大津市街)から琵琶湖沿いに北上し、草津市・守山市・彦根市など湖東地域を経由して長浜港に至ります。走行距離は約72kmで、車で休憩なしに走行した場合の所要時間はおおよそ2時間12分程度です。道路状況や経由地によって時間は変動しますが、一般道を利用した場合は概ね2時間前後のドライブとなります。湖岸の風景を眺めながら走るルートであり、途中には彦根城や近江八幡など観光名所も点在しています。

湖上直線ルート(大津港~長浜港)

湖上直線ルートは、大津港と長浜港を琵琶湖上で一直線に結ぶ仮想的な経路です。琵琶湖は南北に約63.5kmの長さがあり、大津港から長浜港までの直線距離はその全長よりやや短い約55kmと見積もられます。この距離を直接移動できれば、移動時間は移動手段の速さによって大きく異なります。たとえば時速50km程度で巡航できる高速船やドローンで一直線に移動した場合、所要時間は約1時間6分ほどと算出できます(55km÷50km/h=1.1時間)。実際には琵琶湖を直線的に横断する定期航路は存在しませんが、観光船によるクルーズコースが季節限定で運航されています。冬季限定の「びわ湖縦走雪見船クルーズ」では、大津港~長浜港間を片道約2時間半で結んでおり、ゆったりと船旅を楽しみながら両港を移動することもできます。

以上のように、陸路と湖上ルートでは距離と所要時間に大きな違いがあります。陸路は琵琶湖を迂回するため距離が延びますが、道路網が整備され車で移動可能な現実的なルートであり、およそ2時間強の移動となります。一方、湖上を直線的に進む経路は距離的には短く、理論上はより短時間で移動可能です。しかし実際に湖上を横断するには船舶や特別な手段が必要であり、一般的な交通手段ではありません。下記に2つのルートの距離と所要時間をまとめます。

  • 陸路ルート(大津港~長浜港):距離 約72km、所要時間 約2時間12分
  • 湖上直線ルート(大津港~長浜港):距離 約55km、所要時間 約1時間6分(※時速50kmで直線移動した場合の概算)

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